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銚子佐原街道   (小見川~下総豊里


令和3年(2021)11月6日(土)   ☀    小見川~下総豊里    14.0㎞
昨日に引き続き、終日安定した天気になりそうなので、小見川から先へ進むこととした。小見川駅からは暫く黒部川に沿って進み、利根川大橋入口交差点辺りから利根川に沿って南下していくこととなる。前回と変わらず、全ての行程が逆光となり、街道の先はかなり見えずらい。また、今日はこれまでで一番車の往来に気を付けなくてはならに危険箇所がある。

小見川駅 青面金剛碑 上八坂神社 水神宮
小見川駅前ロータリーには、佐藤尚中先生記念像が建っている。佐藤尚中(たかなかI)は、文政10年(1827)に小見川町内浜(現香取市)に小見川藩医山口甫僊の次男として生まれ、幼名は竜太郎、のちに舜海と名乗った。幼少期に江戸へ出て儒学や医学を学び、佐藤泰然の和田塾(現順天堂大学)に入門して蘭方医学を学んだ。 小見川駅から街道に出て、昨日の続きを進むと、ドラッグストア 「ヤックスドラッグ小見川店」 の前のY字路中央に青面金剛碑が建っている。 青面金剛碑の先を500m程進むと、左手に上八坂神社がある。境内の改修記念碑によると、古来阿玉川の鎮守として素戔嗚命を奉祭していたが、明治15年(1882)火災により社殿が焼失し、拝殿本殿を再建したとある。現在の社殿は、昭和57年に改修されたものである。上八坂神社に隣接して墓地があり、境内には徳本の南無阿弥陀仏名号碑、子安観音、地蔵菩薩などが祀られている。 上八坂神社の直ぐ先で、玉川が街道を横切っている。玉川の下流200m程の所に小さな水神宮があり、享保3年(1718)の阿玉川村中と刻まれた石祠のほか、3基の石祠が建っている。

下八坂神社 吉祥院 観音堂 巡礼道標
街道に戻って玉川を渡ると右手に下八坂神社がある。逆光で危うく見過ごしてしまうところであった。上八坂神社と関係が有りそうであるが、由緒等は不明である。狭い境内には、手水舎、石祠、八坂神社大改修記念之碑などがある。 下八坂神社の直ぐ先左手に、天台宗の吉祥院がある。吉祥院の創建年代等は不詳であるが、境内には阿弥陀堂、地蔵堂のほか、宿濱女人中と刻まれた子安観音、聖観音菩薩立像などがある 街道に戻って南へ進み、JR成田線の佐原銚子街道踏切を渡り、街道が東に曲がるT字路の右手筋に観音堂がある。観音堂の由緒等は不明であるが、境内には享保元年(1716)の手水石、寛文12年(1672)の十九夜塔などがある。 街道に戻って東にどんどん進んでいくと、左手の民家の入口に道標が建っている。この道標は、天明3年~4年にかけて願主真永が、滑河観音から銚子飯沼観音まで12基建てた巡礼道標の一つである。道標には、天明3年(1783)飯沼観音江六里と刻まれている。

危険個所 野口初太郎頌徳碑 笹川地区 諏訪大神
巡礼道標を過ぎると、ここから約2㎞は擁壁の脇の狭いところを歩かなければならず、大型トラックがすれ違うときはかなり危険である。あらかじめ用意した800ルーメンの小型ライトを点滅して歩くが、相手が気が付くのはかなり手前に来てからである。 約2㎞の危険個所を過ぎると、右手の空地に野口初太郎の頌徳碑が建っている。野口初太郎は、利根川用水事業に生涯を捧げた人物である。 野口初太郎の頌徳碑の先で、第二佐原銚子、街道踏切を渡ると、香取郡東庄町笹川地区の集落の中を東に進んでいく。 先に進んで笹川駅入口交差点を過ぎると、左手に諏訪大神がある。諏訪大神は、大同2年(807)坂上田村麻呂が東夷征伐の折りに、武運長久、海上安全を祈願し、一祠を建てたのが始まりと伝えられている。境内には、神楽殿、子安神社、土俵などのほか、青面金剛の庚申塔、十九夜塔などの石造物がある。また、境内入口には、天保水滸伝遺品館が建っている。

延命寺 八坂神社 箒松豊川稲荷大神 巡礼道標
諏訪大神の北側100m程のところに、真言宗智山派の笹川山延命寺がある。延命寺の創建年代等は不詳であるが、境内には天保水滸伝の笹川繫蔵の供養碑、両脇に笹川繫蔵の一の子分・勢力富五郎の供養碑と客分・平手造酒の墓がある。なお境内にある堂宇は、地蔵堂だけであるが、青面金剛の庚申塔などの石造物がたくさんある。。 延命寺の東側50m程のところに八坂神社がある。八坂神社の由緒等は不明であるが、境内は植栽に囲まれており、社殿は玉垣の中にある。 諏訪大神の入口まで戻って街道に復帰し、黒部川の支流である桁沼川を渡って先に進むと、右手に箒松豊川稲荷大神がある。狭くて窮屈な境内に、鳥居、社殿が何とか収まっているといった感じである。 箒松豊川稲荷大神の前に街道面して道標が建っている。この道標は、天明3年~4年にかけて願主真永が、滑河観音から銚子飯沼観音まで12基建てた巡礼道標のうちの一つである。道標には、天明3年(1783)飯沼観音江五里と刻まれている。

街道並み 阿弥陀堂 八坂神社 供養塔
巡礼道標の先も笹川地区の中を通る街道が、真っすぐ東に向って延びている。 巡礼道標から凡そ1.3㎞程進むと、左手の東庄町消防団第二分団第五部の建屋の横に阿弥陀堂がある。境内には、地蔵菩薩立像、子安観音などの石造物がある。 阿弥陀堂から600m程進むと、左手に八坂神社がる。ここまで街道沿いだけで4社目の八坂神社であり、由緒等は不明であるが、境内には、享和2年(1802)の牛頭天王石祠と水神宮石祠などがある。また、鳥居の道路を挟んだ向かいの民家角に安政7年(1860)の文字庚申塔が建っている。 八坂神社から150m程先の右手に、ひと際大きな日本名山霊地巡拝大乗供養塔が建っている。この場所は、防火水槽のある伊勢組道具倉庫の敷地内で、傍らには一面六臂の青面金剛の庚申塔、二十三夜塔などの石造物がある。

八坂神社 秀蔵院 旧道口 頌徳碑
日本名山霊地巡拝大乗供養塔から100m程先の左手に八坂神社がある。八坂神社の由緒等は不明であるが、境内には金毘羅宮のほか、三峯山、小天狗などと刻まれた風化の進んだ石祠がある。 街道に戻ると、直ぐ先、右手に真言宗智山派の秀蔵院がある。秀蔵院が歴史の記録に登場するのは、天和3年(1683)であり、元禄7年(1694)には宗門改めにより、新宿村の住民は全て真言宗に属し、常陸国鹿嶋神宮寺の末寺秀蔵院の旦那であるとの報告を提出している。境内には、観音堂のほか、岩船地蔵菩薩像などの石造物がある」。 秀蔵院から200m程先に進むと、左手に入る旧道口がある。この旧道は、400m程先で、再び国道356号(利根水郷ライン)に合流する。 国道356号に合流して暫く進むと、左手の民家の前に大正9年(1920)の頌徳碑が建っている。

聖観世音碑 林福寺 星之宮大神 大友城址
頌徳碑から直ぐ先の左手筋角に聖観世音碑が建っている。よく見ると聖観世音江壹丁と刻まれ、この筋奥にある林福寺への道標である。道標の右面には、「東 飯沼観音・猿田神社・岩井不動」 と刻まれている。 聖観世音碑の筋を100m程入ると、突き当りに真言宗智山派の浅荷山林福寺がある。林福寺は、薬師如来を本尊とし、永禄元年(1558)の創建と伝えられている。境内には、観音堂があり准胝(じゅんてい)観音が祀られ、観音堂の傍らにはたくさんの庚申塔がある。 林福寺の先を進むと、左手の火の見櫓の隣に星之宮大神がある。星之宮大神の由緒等は不明であるが、境内には、天保6年(1836)の手水石、道睦神(どうろくじん)などの石造物がある。 星之宮大神の直ぐ先の石出交差点に 「大友城址→」 の看板が建っている。大友城は、石出交差点を右折した先の標高50mの台地上にあり、千葉氏の祖であった平良文の居城であったと伝えられている。

東泉寺 稲生神社 旧道口 庚申塔
石出交差点から300m程進むと、左手に真言宗智山派の妙生山東泉寺がある。東泉寺の創建年代等は不詳であるが、昭和35年(1960)に持明院観音寺と弥勒院を合併して東泉寺と改名した。境内には、子安観音、出羽三山碑、五輪塔などの石造物がある。 街道に戻ると300m程先の左手に稲生(いなり)神社がある。稲生神社の由緒等は不明であるが、境内には名前の不明な境内社、弘化4年(1848)の常夜燈などがある。 街道に戻ると150m程先の信号交差点から右に入る旧道がある。この旧道は、JR成田線の西側を通り、暫く、国道356号(利根水郷ライン)に合流しない。 旧道に入って間もなく左手に庚申塔が4基並んでいる。元禄8年(1695)の文字庚申塔、万延元年(1860)の文字庚申塔、延宝8年(1680)の青面金剛の庚申塔、元禄元年(1688)の三猿の庚申塔である。

巡礼道標 旧道並み 道標 子安神社
先に進んで、JR成田線の東今泉街道踏切を渡って行くと、右手の竹林の前に道標が建っている。この道標は、天明3年~4年にかけて願主真永が、滑河観音から銚子飯沼観音まで12基建てた巡礼道標のうちの一つである。道標には、天明3年(1783)飯沼観音江四里と刻まれている。 巡礼道標の先は車の往来も少なく、歩道は無いが安心して歩ける道が続いている。 先に進むと、右手に上る坂道に道標が建っている。道標には、正面に 「東大社参道」、右面に 「みゆき坂」 と刻まれている。東大社は、香取郡東庄町にある神社で、景行天皇が東国巡幸の折りに春臣命に命じて一社を造営したのが始まりという古社である。 道標から300m程進むと、諸持郵便局の先に子安神社がある。社殿に祀られている石祠によると、正慶元年(1332)創立、享保3年(1718)再建である。

下総豊里駅
子安神社から凡そ1㎞程で下総豊里駅前に出る。今回はここで終了後し、下総豊里駅から帰宅の途に就いた。

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