マキ科の常緑樹。葉は水生植物のコナギの葉に似ていることから 「ナギ」 の名が付けられたと言われる。比較的暖かな南方を適地とする。
 奈良県春日大社の樹林は有名である。幹は堅く、葉には縦に葉脈が走り切れにくいことから、昔より縁が切れにくい 「縁結び」 信仰と、葉を鏡の裏や守り袋に入れて災難除けとした。
 熊野速玉大社の樹齢1000年のナギの大樹は熊野権現の象徴として信奉篤く、古来より道中安全を祈り、ナギの葉を懐中に納めてお参りすることが習わしとなっている。
 「千早ふる熊野の宮のなぎの葉を変わらぬ千代のためしにぞ折る」 藤原定家
 側高神社のナギの木は、北限に近くこれだけの太さの巨木は北総地域には珍しい。
 樹高15m、太さ2.6m

 毎年1月第二日曜日に行われる髭撫祭は、今から760余年以前の建保2年(鎌倉時代)に始められたと伝えられ、大倉村中の氏子を氏族別に18組に分け、18当番の各組が毎年交互に2組づつ祭当番・諸当番として奉仕するしきたりで、祭当番引継ぎの行事として執り行われる。
 当日、神前に注連縄を張り、鶴亀遊ぶ蓬莱山を飾り、両当番は西と東に分かれて酒豪を競う。紋付羽織袴という古式の礼装に威儀を正し、荒筵(あらむしろ)の上に着座し、2人づつ交互に出て七引き合いの杯事を行い、初献より七献目(満献)まで一杯・三・五・七・七・五・一杯と定められている。
 しかし興至れば定められた杯数を越え、髭を撫で、相手側に酒をすすめる。髭を撫でると、定まった杯数に一杯新たに加わるのである。(諸当番側が髭を撫でると逆撫といって三杯の追加となる)
 旧式にも、強いて三杯飲ましむる例なりと見え、俗に 「ひげなでさんばい」 とも言われる所以である。
 思うに髭を撫でるこの辺りが、この祭典の妙味であり、神の感応を示す絶頂点である。見事に飲み干す度に勇者を褒めはやすときの声が新年早々の側高山に湧き上がり、今なお、昔ながらの手振り床しく五穀豊穣、子孫繫栄を祈念して引き継がれているのである。(側高神社社務所)

 この神社は、香取神宮第一の摂社であり、古来より永く尊崇されてきた。本殿は一間社流造、屋根は現在銅葺であるが、もとは茅葺。主屋正面及側面は切目縁、はね高欄。組物は連三斗、軒は二重繁垂木である。向拝部分の彩色文様や蟇股内部の彫刻には桃山建築様式の特色が見られる。
 神宮本社の造替修理との関係や建築様式から、慶長年間に畿内出身の名工に学んだ工匠の手になる地方色の強い建築物として貴重である。また、この地は古く香取郡と海上郡の郡界の地であり、香取神宮第一の摂社が鎮座していることは歴史的にも貴重である。
(千葉県・香取市教育委員会)

 この四箇の甕を、属に 「四季の甕」 という。石段の側から、春の甕、夏の甕、秋の甕、冬の甕と称して各々の甕の水量が、四季折々の降水量を示すとも言われる。
 自然に溜まった雨水の量を以って占いの基礎としたものであろう。
 神験に依って、その年の豊凶や、生活の吉凶を知ろうとした先人の純朴な信仰が偲ばれる。(側高神社社務所)

参道石段

側高神社鳥居

手水舎

正徳3年(1713)・元文5年(1740)等の二十三夜庚申石祠

延享3年(1746)の二十三夜庚申石祠

毘沙門天
側高神社の別当寺天台宗千手院観音の守護神

髭撫祭(ひげなでまつり)由緒

側高神社本殿説明

梛(なぎ)説明

梛木(なぎ)

常夜燈

御神木千年杉
樹高35m、幹回7.4m

御庚申尊神

文化7年(1810)の大六天石祠

四箇の甕

四箇の甕の由来

社務所

側高神社本殿

狛犬

側高神社拝殿

狛犬

拝殿に掛かる側高神社の扁額