「十王堂は」、十人の 「王」 を祀る堂で、その 「王」 とは、冥土(死者のたましいの行くところ)にいて亡者(死んだ人)の罪を裁く十人の判官をいう。
 秦広王 初江王 宗帝王
 五官王 閻魔王 変成王
 平等王 太山王 都市王
 五道転輪王
の総称である。
 藤川宿の 「十王堂」 はいつごろ創建されたかは不明であるが、十王が座る台座の裏に 「宝永7庚寅年7月」(1710)の記年があるので、 ここの十王堂の創建はこの年であろうと推測する。
  また地元では、忠臣蔵で有名な神埼与五郎に言いがかりをつけた箱根の馬子・丑五郎との伝説を伝えている。
   藤川宿まちづくり研究会

 芭蕉句碑は、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が詠んだ句を、石に刻んで建てたものである。
 「爰(ここ)も三河 むらさき麦の かきつはた  はせを」
 碑のうらに、「寛政五歳次葵丑冬十月  当国雪門月亭其雄并連中  以高隆山川之石再建」 と、建碑の書誌的事項が彫られている。
  この碑の高さは1.65m、幅1.07m、厚さ0.2m。花崗岩の自然石で、この近辺の芭蕉句碑では最大級といわれている。
  その傍らに、高さ0.9m、幅0.5mほどの自然石が立っている。 これも芭蕉句碑で、この碑は元、別な所にあったが、大正初期に現在地に移された。
   藤川宿まちづくり研究会

芭蕉句碑

地蔵堂

藤川の十王堂解説

十王堂

十王堂奥の堂宇

十王堂内の十人の判官