十王院由緒

 十王院は曹洞宗の寺院で、寺伝では天正13年(1585)二川村の後藤源右衛門の祖一翁善得が私庵として開き、後の村の惣庵となり、寺子屋も開かれていました。十王院は、十王堂・念仏堂とも称されました。
 境内には寛永9年(1632)建立の二川新町開山の碑があります。その正面には 「此人當町開山之仁也 一翁善得庵主 周天西堂和尚禅師 花屋春榮大姉 悦秀常喜禅定門 宝林常弥禅定門 林窓徳庵禅定尼 月桂妙円禅定尼 寛永9年11月珠日 三界万霊」 と刻まれ、裏面には 「三州二川村新町之開山一翁善得 則後藤源右衛門本願人也 天正13年霜月吉日」 とあります。
 この碑文の解釈は一定しませんが、後藤源右衛門は二川開宿当初、本陣・問屋をつとめた宿場の有力者で、一翁善得はその祖源吾です。

三州二川村新町之開山一翁善得 天正13年(1585)と刻まれている

下部に横書きで三界萬霊と刻まれている

十王院 (右の建物)

薄いが十王院と記されている

六地蔵尊

墓石の前の石仏群

寛永9年(1632)の二川新町開山の碑 (表)

二川新町開山の碑 (裏)

三面六臂の馬頭観音

享保8年(1723)と宝永2年(1705)の地蔵菩薩