護法山地蔵院＜明徳元年（1390）創建＞

築山御前腹篭（はらごもり）地蔵尊
　徳川家康公夫人築山御前は、天正7年（1579）富塚村小藪（現浜松医療センター前）で、織田信長の命で殺害された。その夫人が守り本尊として肌身離さず持っていた秘仏だと言われております。
　宝暦8年（1758）小野田五郎兵衛久繁（麦飯長者）が、これを堀江城主大沢右京大夫よりもらい受け、お堂を建てて安置したとあります。
　お寺ではこれを「安産」のお守りとして「お札」を大正時代までわけていたということです。

白隠禅師と八重箻附四娘孝記
　宝暦8年（1758）駿河の白隠禅師が桑名（三重県）よりの帰途、病を得て、百日も地蔵院に逗留した。
　時に久繁翁早く父母を相次いで失った孫娘四人の仮名書き法華経を白隠禅師に見せたところ、禅師は痛く感激、八重箻上巻に附して四娘孝記を草稿し、久繁翁の喜捨により版行して広く世間に広めたとあります。
　父母の死を嘆いて法華経八巻二部を書写した孫娘四人の名前は、おさき14歳、おやす12歳、おかの8歳、おその6歳で、1755年から1757年の3年かかって完了し、一部を小野田家、一部を地蔵院に納めたということです。