姿見の橋

姿見の橋

 小野小町は絶世の美人であり、歌人としても有名であった。晩年に東国へ下る途中この岡部宿に泊まったという。小町はこの橋の上に立ち止まって、夕日に映える西山の景色の美しさに見とれていたが、ふと橋の下の水面に目を移すと、そこには長旅で疲れ果てた自分の姿が映っていた。そして、過ぎし昔の面影を失ってしまった老いの身を嘆き悲しんだという。こんな事があって、宿場の人たちはこの橋を 「小野小町の姿見の橋」 と名付けたという。