徳川家康公は駿府城築城にあたりその石垣は丸子など近在より集めたと伝えられる。
 この石もその一つで丸子舟川より運び出されたが370余年間目前の旧東海道の下で眠っていたが、去る丙辰(1976)正月電話ケーブル埋没工事の際掘り出されたもので辰年に因み龍が爪あと(くさび割りあと)を残して天に昇った
 丸子の縁起ものとして辰石と名付けた
                           店主

辰石

 はかり知れない奥義を極め偉大な名声と数多くのすぐれた詩文は未来永劫まで称えられ大空のように広大無辺で果てしなく誰にもその真髄を知ることはできない

行列の出来ている丁子屋

東海道53次之内 丸子

元祖丁子屋名物とろろ汁標石

可仰蕉翁雅量宏識
流芳千載詩林是則
空空大空熟知其極

岡本かの子著 東海道53次

十辺舎一句 東海道中膝栗毛の碑

芭蕉句碑

「名ぶつとろろ汁」 と描かれている

 午前の陽は流石に眩しく美しかった。老媼が「とろろ汁が出来ました」と運んできた。別に変わった作り方でもなかったが、炊き立ての御飯の香ばしい湯気に神仙の土のような匂ひのする自然薯は落ち着いたおいしさがあった。私は香りを消さぬように薬味の青海苔を撒らずに椀を重ねた。

けんくはする 夫婦は口をとがらして 鳶とろろに すべりこそすれ

梅わかな 丸子の宿の とろろ汁