駿河一国観音霊場第23番札所観音堂

 「性海庵の湧水」 って知ってるかね。この水は、清見寺の裏山から湧いていてね、東海道の天下の名水と言われていたんだ。この湧水の名は、この水が湧いていた近くに清見寺を開いた性海和尚が住んでいたことからつけられたそうだよ。
 この場所はね、今は瑞雲寺の墓地だけど、わしが子供の頃は畑だったんだ。湧水がこの中をさらさらと小川となって流れていたんだよ。夏になると、小川には蛍やカニがたんといたっけ。この水は東海道まで懸樋(かけひ)といって竹でできた樋(とい)で引かれていたんだ。100mくらいあったと思いますよ。懸樋の一番下には墫(たる)が置いてあって、水が貯まるようになっていたんだ。この辺りの家の飲み水や炊事・洗濯の水として使っていたよ。朝、おばさんたちが洗濯や炊事にここに集まってくると賑やかだったね。手よりも口を動かしている方が多かったもんね。その頃はまだ、東海道を歩いて旅する人がいてね。この水で喉を潤したんだ。乗合馬車や、荷物を運ぶ馬も飲んだりもしたっけ。東海道の給水所だったんだなあ。夏は冷たくて冬は温かいこの水は、今まで枯れることはなかったよ。30軒くらいの家が使っているよ。
こんなにおいしい水が飲めて、わしらは幸せに思うな。

観音堂に掛かる扁額

観音堂内陣

釈迦牟尼仏坐像

性海庵の湧水解説

瑞雲寺本堂

本堂に掛かる瑞雲院の扁額

水盤

性海庵(しょうかいや)の湧水

補陀洛は よそにはあらじ瑞雲寺 月を清見が 浦は涼しき