薩埵峠は、東海道興津宿と由比宿の間に横たわる3㎞余の峠道で、古来、箱根・宇津の谷・日坂などと共に街道の難所として知られてきました。
 江戸幕府の東海道伝馬制度が定められたのは関ケ原の戦いから間もない慶長6年(1601)のことで、その後 「一里塚」 なども整備されましたが、この峠道の開通はずっと遅れて、明暦元年(1655)と記録されています。
 薩埵峠には上道、中道、下道の三道がありました。下道は峠の突端の海岸沿いの道であり、中道は、明暦元年に開かれた山腹を経て外洞へ至る道です。また、上道は、峠を下るところより内洞へ抜ける道であり、この道が江戸後期の東海道本道です。

薩捶峠0.5㎞ ←   → JR興津駅3.7㎞

東海道道標 薩捶峠

牛房坂碑