意味
東から西、西から東へと長く旅していると、途中のいろんな景色を目にする度に、故郷のことを想い起こす。
さて、今、梅花に馬を繋ぎとめているのは土山というところである。
いったい、土山は、土の上に石がごろごろしているのだろうか、石の山に土がかぶさっているのだろうか。
作者、林羅山は、徳川幕府に仕えた江戸前期の儒学者
号を道春という。
家康没後の元和2年(1616)、羅山34歳のとき、江戸を出発し、東海道を経て故郷の京都へ向かう。
この詩は、途中の土山で詠んだもので、この間の紀行記「丙辰紀行」に掲載されており、その前文に 「釋詁毛傳などに石山を土の山とよみ、土山を石の山とよむことを思いて」 この詩を詠んだとある。
土山家本陣跡の隣の旅籠近江屋跡
土山家本陣跡向かいの旅籠俵屋跡
旅籠俵屋跡に隣接する旅籠山形屋跡
解読
行李 東西 久しく旅居す
風光 日夜 郷閭を憶ふ
梅花に馬を繋ぐ 土山の上
知んぬ是崔嵬か 知んぬ是岨か
林羅山漢詩碑解説
土山中央公民館敷地内の林羅山漢詩碑
土山中央公民館角の旅籠山田屋跡