本陣とは江戸時代に大名・旗本・幕府公用人・勅使・公家・門跡などが、宿駅での休泊に利用した公認の宿舎である。
 土山宿には吉川町の北土山村側にあった土山家本陣と、中町の南土山村側にあった堤家本陣尾二軒があった。
 堤家本陣はその屋号から「二階屋本陣」とも呼ばれ、代々忠左衛門を名乗った。史料上の初見は江戸時代前期の延宝8年(1680)で、以後土山家本陣とともに本陣職を勤めた(「土山家本陣宿帳」)。
 本陣は一般に150~200坪程度の建物があり、門構えや玄関、上段の間を設けたが、天保14年(1843)当時、門構えと玄関をもっていた(「東海道宿村大概帳」)。建坪は196坪と、土山家本陣の325坪よりは小規模であった。
 堤家本陣は幕末には衰微し、これより約250m西、吉川町の北土山村側にあった大旅籠の大黒屋がその代替として利用された。
 平成29年1月31日 土山の町並みを愛する会
              甲賀市教育委員会

堤家(二階屋)本陣跡説明

二階屋本陣跡碑