当寺は浄土真宗本願寺派の寺である。
創立年代・開基など不明であるが、寺誌によれば、もと真言宗潮音寺と称し、近郷の豊田村(現三重郡川越町豊田)に字長恩寺があり、この地を当寺の旧地と伝える。文明17年(1485)画像本尊を下付されたというから、この頃に真宗に改宗したのであろう。下って、慶長9年(1604)現在の寺号を公称し、寛永元年(1624)に木仏の許可を得て寺院化したようである。のち慶安4年(1651)領主松平隠岐守より現在の寺地を賜り、翌年に寺基を移し今日に至っている。
境内は濠と築塀がめぐり、参道正面入口に文化3年(1806)に築造された参詣橋が架かり、その奥に昭和初年に建立された山門が建つ。
山門をくぐると、正面中央に、昭和31年(1956)再建された入母屋造の大規模な本堂がある。山門左脇に建つ鐘楼は寺誌では延宝年間(1673-80)に建立したと伝える。
境内を囲む築塀
境内を囲む濠
延宝年間(1673-80)の鐘楼
内陣に掛かる長明精舎の扁額
本堂内陣
長明寺本堂
長明寺由緒
新しい太鼓橋の下に文化3年(1806)の橋が架かっている
桑名城より移築された長明寺山門
山門に掛かる長明殿の扁額