箱根宿楓並木の由来

 江戸時代、元和4年(1618)の春、徳川幕府が箱根に関所を設け箱根宿を開いた。この頃、箱根山中の街道筋に杉苗を植え杉並木を作ったが、箱根の宿場町の街路には楓の苗を植えて春夏秋冬の風趣を添えた。
 この楓は、当時の宿場の中で本陣参勤交代の折の大名などが泊まる大きな宿泊施設で門構えなどがあり、警護しやすいように建てられた旅館であったはふやの門前に植えられてあったもの。明治中期の道路拡張の際、他の全部の楓は切り払われてしまった。樹齢約400年、これほどの老楓は珍しく、他所にもあまり見ることが出来ぬ、当時の本陣はふやは現在の箱根ホテルである。

推定樹齢400年の楓