地蔵は六道をめぐって衆生を救済し、極楽にいけるよう力を貸してくれるとされていましたが、近世になると民間信仰とあいまって、病気平癒、五穀豊穣から長寿、安産、育児など、あらゆる願い事を叶えてくれると信じられるようになり、当時の村民にとってより身近で大切な存在となりました。
 この地蔵菩薩像は、元禄8年(1695)という造立年が記された市内で最も古いものです。
 光背には、神山村(こうやまむら)の住人が亡くなった人の供養のために三年間寒中30日念仏を唱えて巡行する寒念仏を行ったことが記されており、当時の信仰の様子をうかがうことができます。
(東久留米市教育委員会)

元禄8年(1695)の地蔵菩薩

地蔵菩薩由緒