本像は、長徳寺の本尊で、放射状光背を負って立つ浄土真宗の形式を持つ阿弥陀如来立像である。
 寄木造で玉眼を嵌入し、肉身部を金泥、着衣部を漆箔とする。構造は、頭体幹部を前後に矧ぎ、胸部の衣の襟に沿って頭体部を割り矧ぐ、両手先、表面塗りなどは後補となっている。
 像内の胸部裏及び体部背面の墨書銘によって、天文4年(1535)、後北条氏の家人藤田氏らの発願によって造立されたことがわかる。
 まとまりのある衣文表現や整った面貌など、仏師のすぐれた技量が感じられ、衣の襟に沿って割り矧ぐ特徴のある構造とともに、鎌倉仏師の制作という伝承に相応しい作といえる。
 全体にやや造形の形式化が進み、近世的な要素も濃い作例といえるが、制作時期の明らかな浄土真宗型の阿弥陀像の基準作例であり、資料的価値も高い貴重な仏像である。
(厚木市教育委員会)

地蔵菩薩立像

明治廿七八年戦役供養塔

長徳寺本堂

本堂に掛かる長徳寺の扁額

木造阿弥陀如来立像説明