左卜全(本名・三ヶ島一郎/昭和46年5月26日没/享年77歳)は、おとぼけと洒脱の独特な芸風でユニークな名脇役として注目され、代表出演作に黒澤明監督作品の
「白痴」 「生きる」 「七人の侍」 「どん底」 等の映画作品があり、晩年(75歳)には 「老人と子供のポルカ」 のレコードを出し、大ヒットし、広く人々に親しまれた。
またこの地は、左卜全の虚構と伝説に充ちた生涯の真実と夫への限りない愛を持って描き出した妻三ヶ島糸著書「奇人でけっこう 夫・左卜全」 (装画・題字=森繁久弥/文化出版局)があり、糸が平成8年7月25日、87歳で没するまで愛したゆかりの地でもあります。
人も惜し さらに芸惜し へだつ世の おもいはるかに 燃ゆるおりおり (糸)
ふるさとの 土に召されて とことはに 君がみたまの ここにしずまる (糸)
共にある 世のなごり惜し 添寝して 細りゆく手 むねにあたたむ (糸)
ひとしれず 消えたき思ひ 草の葉の 陰に宿りし 露のごとくに (糸)
いつしかと 都の塵に 汚れたる わが白かりし 衣かなしき (一郎)
なお、ここにありました冠木門は出生地の所沢市三ヶ島堀の内の三ヶ島家奥津城(お墓)に移転し、映画・テレビ・舞台・ラジオの台本等の資料は所沢市教育委員会に寄贈し三ヶ島公民館に展示されています。
その他のスチール写真等の資料は、この隣の甥中村靖宅に保存してあります。跡地の住居は 「プレステージレフト」 の名称で、左卜全の名声を未来に残すため、ここに表記したものであります。
左卜全を偲ぶ会 中村靖
左卜全語碑
老人と子供のポルカ・七人の侍などのポスター
左卜全住居跡解説
常道の芸では先がしれてる されば逆 遠き苦難の道を求めん