この建物は、明治42年(1909)5月に黒須銀行本店として建設されたもので、土蔵造二階建、寄棟造瓦葺、総床面積236.02㎡の建物である。
 黒須銀行は、明治27年(1894)に設立された黒須相互組合を前身に、明治33年2月に誕生した。その経営は、創設時の中心的人物・繁田武平満義の考えから道徳を規範としたもので、大正3年(1914)には顧問の渋沢栄一から 「道徳銀行」 の名を与えられ、順調に業績を伸ばした。しかし、第一次世界大戦後の不況の影響により、大正11年6月に武州銀行と合併して幕を下した。
 その後は昭和18年(1943)7月に埼玉銀行(現埼玉りそな銀行)豊岡支店となり、昭和35年11月まで営業が行われていた。
 昭和40年3月からは郷土民芸館として市が借用していたが、昭和52年7月に埼玉銀行より敷地を含めて市に寄贈された。
 現在は、当市の近代金融史を象徴する遺産として大切に保存されている。
 (入間市教育委員会)

歩道橋上から見た繁田醤油の建屋

長屋門前の大釜

繁田醤油の長屋門

旧黒須銀行説明

旧黒須銀行

旧黒須銀行建屋