「見沼の龍神」 伝説案内板

 将軍吉宗の命を受けた井沢弥惣兵衛為永は、この辺りの見沼を干拓し、利根川から代わりの水を引く工事をしていました。
 ある晩のこと、為永は夢を見ました。見沼の主である龍神という美しい娘が現れ、「私は住むところがなくなる、新しい住処を探すまで工事を中止してほしい・・・」 といいます。
 来春の稲の作付けに間に合わせるため、工事は一日も休めません。そのうち工事に負傷者や障害が続出し、為永も病に倒れていしまいました。すると、また夢に先ほどの美女が現れ、「おまえの病を治してあげるから、私の頼みも聞いて欲しい・・・」 と、毎夜やって来ては、夜明けに姿を消します。為永の病気はにわかに良くなりましたが、家来が為永の部屋を覗くと、蛇身の女が為永の体をなめまわしていました。家来の者もそれには気を失い、為永もその話を聞くと肝を冷やしました。
 為永は、詰所を萬年寺(見沼区片柳)に移しました。萬年寺でも、棺が門をくぐろうとすると中に舞い上がるというようなことが起った起ったため、人々は、龍神が為永の仕打ちを怨んでの仕業に違いないと言い合ったといいます。
(さいたま市)

見沼代用水路東縁

見沼代用水路東縁に沿った遊歩道

見沼たんぼ周辺案内板