大門宿は、日光御成道の宿駅で、本陣1、脇本陣1、旅籠6軒がありました。ここは、脇本陣で、本陣の斜向かいにあります。
この表門は、寄棟造、茅葺で、「立隠れ」 (門構えが半間引き込む)、くぐり戸のある長屋門です。間口16.00m、奥行4.60mと、ほぼ本陣表門と同規模ですが、本陣の壁が大壁で縦格子窓付きの番所があるのに対し、ここは、真壁で番所がなく、窓は横に菱子(ひしこ)が走るなど、本陣と比べるとやや簡略化されています。
この表門の建立年代は明らかになっていませんが、安永5年(1776)の徳川家治(第10代将軍)の日光社参に合わせて建てられたものと考えられています。この時に、しんがりを勤めた姫路藩主酒井忠以が往路ここに宿泊をし、帰路には、岩城平藩主安藤信成がここで休止をしました。
なお、当時の記録には、「西御本陣」 「西本陣」 などと記されています。
この門は、本陣表門とともに、大門宿の往時の姿を伝える遺構として、大変貴重なものです。
(さいたま市教育委員会)
大門宿脇本陣表門説明
右手から見た脇本陣表門
大門宿脇本陣表門