この雌雄一対の獅子頭は、高さ83㎝、幅80㎝、奥行87㎝もあり、舞に使われる獅子頭と比較すると、大型で重量もあり、獅子の胴衣をつける穴もなく、獅子頭として神幸に供奉したものである。しかし、現在では山車に載せて曳いたという以外に伝承は残っていない。
 かかる大型の獅子頭では、重量の関係もあり、彫技に変化を付けることは至難であるが、江戸末期の平面的な技法によって構成されている。
 この彫工も男獅子の角には、かなり苦心したらしく宝珠との釣り合いもあり、中央に一角の太い角は、獅子の頭部の一部が岩のように盛り上がったごとく彫り込んであるが、獅子の角としては珍しい手法である。塗りは、布着せ黒漆塗りとし、唇・鼻の穴・舌は朱漆塗り。巻毛・耳・宝珠等は金箔押しとし保護のため生漆をかけてある。
 本体は寄木工法からなり、材は檜であろう。歯は上あごから2本の牙がでて歯の並びに変化を与える古い手法を用いている。
 このような大型の獅子頭は、遺構も少なく貴重なものである。
(境内案内より)

八幡神社拝殿内

獅子頭

獅子頭

八幡神社拝殿

手水舎

拝殿に掛かる八幡宮・稲荷神社・牛頭天王の扁額