ある親孝行の息子が、毎日酒を買って年老いて父親に飲ませ喜ばせていました。ところが、ある日酒を買うお金に困ってしまいました。「父に酒を買うことができないとは、なんて親不孝なんだ。」
と、孝行息子はひどく心を痛めながら歩いていると、道端の井戸から酒の匂いがしてきました。井戸水を汲み上げ飲んでみると、それはなんと酒だったのです。孝行息子はたいそう喜び、それからは毎日この井戸から酒を汲んで帰り父親を喜ばせました。この酒の井戸のうわさは、世間にも知られましたが、他の人が汲んでもただの水でした。酒の井戸があることから村の名も
「酒々井」 と呼ばれるようになり、この碑が記念として建てられたと伝えられています。
注
この碑は下總板碑といわれ、鎌倉時代から室町時代に盛行した供養碑であります。碑面を良く見ると、蓮花と梵字キリーク(阿弥陀如来種子)があります。
(酒々井町教育委員会)
鎌倉時代から江戸時代の供養碑(酒の井碑)
酒の井の入口
「伝説酒の井碑」 標柱
復元された井戸
酒の井碑解説