順天堂は、長崎に遊学後江戸に蘭医学塾を開いていた蘭医佐藤泰然が佐倉に移り住み、天保14年(1843)に開いたオランダ医学の塾です。
 ここではオランダ医学書を基礎としながら、当時としては最高水準の外科手術を中心とした実践的な医学教育と治療が行われ、その名声により幕末から明治にかけて全国各地から多くの塾生が参集しました。
 泰然の養子佐藤尚中(山口舜海)は、長崎でオランダ軍医ポンぺに学んだ後、系統的な医学教育を取り入れ、ここで学んだ塾生の多くが明治医学界において活躍しました。
 明治時代になると佐藤尚中は新政府から大学東校(現東京大学医学部)の最高責任者として招かれた後、お茶の水に順天堂医院を開業しました。
 一方、佐倉の順天堂は養子佐藤舜海(岡本道庵)が受け継ぎ、佐倉順天堂として医療活動を続けました。
 現在残っている建物は、安政5年(1858)に建てられたものと、その後拡充された施設の一部です。
  (千葉県・佐倉市教育員会)

旧佐倉順天堂

冠木門

庭園

開館時間 午前9時から午後5時まで
休館日   月曜日(月曜祝日の場合は火曜)
入館料金 大人100円 

 佐倉順天堂の門の礎石です。もともとは、現在の門の礎石があった位置にありました。現在の冠木門・塀は、平成13年(2001)に再建されたもので、同時に門の土台部分の礎石も新しくなりました。門そのものは、平成13年で二度目の再建となりますが、礎石自体は、旧佐倉順天堂がこの地に建てられた安政5年(1858)から平成13年(2001)まで同じもので、およそ140年間にわたりこの礎石が門を支えていました。

佐倉順天堂記念館入館案内

旧佐倉順天堂解説

旧佐倉順天堂の黒門の礎石