クロマツ解説
境内社
(羽黒神社・日枝神社・稲荷神社・鹽竈神社・天満宮)
社殿を覆うクロマツ
葛飾神社本殿
大正5年(1916)の手水石
葛飾神社本殿
葛飾神社拝殿
吽形の狛犬
阿形の狛犬
正面の神社本殿を囲む玉垣の中に聳え立つこのクロマツは、幹が二股に分かれて社殿を覆うように枝が笠状に伸長しており、南側から眺める姿は、社殿と一体化しているような美しい景色を成しています。クロマツは樹高13m、幹回り3.42m、葉張り16.5mで、市内では最も太いクロマツです。クロマツはマツ科属の常緑針葉高木で、本州。四国、九州に分布し、オマツとも呼ばれています。
葛飾神社は元の勝間田の池(現在の勝間田公園)の西高台にあります。この池は、万葉集などに詠まれた大和国西ノ京、唐招提寺と薬師寺の近くにあったという勝間田の池になぞえられ、その名は寛延2年(1749)刊行の「葛飾記」などに登場して、下総の歌名所の一つとして数えられるようになっていました。
勝間田の池は天保7年(1836)刊行の「江戸名所図会」の挿絵に描かれており、池の脇には熊野宮(熊野神社:現在の葛飾神社地)が描かれ、そこに松林を見ることができます。葛飾神社はかつて葛羅の井の西の地にありましたが、大正3年(1914)に熊野神社へ合祀されることになり、同5年(1916)にこの地へ移され、村社葛飾神社と改称し現在に至っています。
このようなことからも、葛飾神社のクロマツは江戸時代から今日に至るまで、人々に親しまれてきたことがうかがえます。
(船橋市教育委員会)
急な石段参道