かつての本郷地区・二子地区の台地南下には、溜(ため)と呼ばれる池が東西にほぼ直線に並んでいくつもありました。これらの溜池は、主に水田に水を供給するためのものでしたが、その他に種籾を浸けて発芽をさせるタナヤ(種井)として利用されたり、野菜の洗い場としても利用されました。さらに火災時には、消火用水としても使われました。
 溜池は単に水が溜まっている池というわけではなく、いずれもかなりの湧水がありました。特にこの葛飾神社の池は、泉ともいえるような豊富な湧水が見られ、四季を通じて清冽な水をたたえていました。
 この池が葛飾神社の所有地になったのは近代になってからですが、神社の所有ということで大事にされて現在まで引き継がれてきました。
 現在残る遊水地は、都市化地区の貴重な自然というだけでなく、かつては生産活動に欠かせない水源であったことから、生産遺跡としても重要な存在であり、今後とも保存して行きます。

葛飾神社の池解説

葛飾神社の池

葛飾神社の池 (コイが泳いでいる)