拝殿に掛かる春日神社の扁額
春日神社拝殿
吽形の狛犬
阿形の狛犬
稲荷神社
武内宿祢山車人形は、市川三丁目の春日神社に所蔵されているもので、総丈212㎝、身長187㎝、重量25㎏~30㎏、製作年代は明治28年(1895)で、製作後120年余りが経過しています。昭和23年(1948)までは山車に乗せられて祭礼時に町内を巡行していましたが、それ以降は交通の事情などから春日神社境内で組み立てられたことはあったものの、ここ20数年は組み立てられることなく保存されてきました。
人形の製作者は、首の焼印により横山朝之であることが判明しています。横山朝之は浅草在住の人形師で、幕末から明治にかけて活躍した「生き人形」の流れを汲む名工として知られております。江戸時代から明治時代における人形及び人形師は、近年美術史上でも注目されており、横山朝之製作の山車人形は関東で数体しか現存していないことから、このような大型の優れた造形は非常に貴重です。
その形状は、木製の骨組みに腕・胴体・大腿の部分を竹材で組み上げ、和紙を貼り重ね、最後に柿渋を塗り重ねて仕上げております。頭や手足は桐材の木彫りで、胡粉仕上げ、目は玉眼とし、髪の毛や眉・髭は人毛を使用しています。衣装は西陣織の金襴で、狩衣・大口袴を着付け、下着は白の綸子で付け袖とし、両肩にはめています。烏帽子は和紙製、腰には太刀を佩き、右手で珠を掲げています。
当該文化財は、宗教法人春日神社の所有に係る「祭祀具」であることから、基本的には同神社の祭礼時等に公開されます。
なお、平成27年度に胴体、及び衣装の復元新調を行いました。
(市川市教育委員会)
武内宿祢山車人形解説
手水舎