下稲吉は、稲吉宿と称して江戸時代水戸街道の宿場として栄えたところである。
 当時本陣や17軒もの旅籠が軒を連ねて、大名一行をはじめ旅人遊客で大分賑わいを呈していたといわれる。
 旅籠 「皆川屋」 は江戸時代末期の建築で、桁行八間二階の総瓦葺という堂々たる構えをみせている。広い土間と板縁、上りはなの階段、勝手、出格子、腰高障子、仕切り戸などが旅籠らしい。 
 二階に上がると、客室の壁には墨痕も鮮やかに、遊びすぎて支払いに窮した思案の落書や愛しい女達の名前が記してあるのも面白い。
 旅籠 「皆川屋」 は、水戸街道に残る唯一の旅籠である。
  (かすみがうら市教育委員会)

木村家住宅解説

旅籠 「皆川屋」 (木村家住宅)

茨城県指定文化財木村家住宅碑