深草山の主峰で、徳川家康上洛の折、乗馬の飼草を賄ったところから、通称御草山と呼ばれる大岩山にあり、山頂付近の大岩・小岩を御神体の男神・女神とする古代の神祀りの名残のある神社である。
 江戸時代の山火事で古文書が焼失したため、創建についての詳細は不明であるが、古くから深草に住み勢力のあった紀氏の守り神とも言われている。
 参道には、多くの小塚が立ち並び、途中には京都の日本画家堂本印象が寄進した珍しい石造彫刻の大小二つの鳥居があり、石工は中村広次郎による。角柱であり地蔵、武人、女神など抽象的な造形の人物像や紋様などが浮彫りされている。結核の治癒に効験があるとして信仰を集めたこともあり、昭和8年(1933)発行の宗形金風「深草誌」には往時の賑わいが記されている。
 近年、地域の尽力により山上の大岩山展望所やトレイルコースが整備された。

大岩神社解説

鳥居に掛かる大岩神社の扁額

竹林が生い茂る参道の山道