八坂神社

八坂神社本殿

社殿に掛かる八坂神社祭神 「建速須佐之男命」 の扁額

稲荷神社

稲荷神社本殿

八坂神社鳥居

 本殿は江戸彫彫刻で飾られた小型の一間社流造で、屋根はこけら葺を模した板葺です。覆屋の板床上にすえられていますが、覆屋は三方に高欄をつけた舞台風の造りになっています。本殿の屋根は雨を受けるようには造られておらず、また、木製の亀腹を用い、彫刻も細かく手の込んだもので、全体に工芸的な造りになっています。
 壁面の彫刻は左側面が龍と琴をひく婦人、右側面は虎と翁と童子で、背面にはありません。彫刻はかなりの厚みがあって立体感が強調されています。右側面、脇障子寄りの足元に「東都彫工 嶋村俊正(花押)」の刻銘があります。
 嶋村俊正は、嶋村俊元八代と称することもあり、留五郎を名乗り、天保12年(1841)の箭弓神社奉納額に名を残しています。「嶋村俊元八代」は、宮下町の氷川神社本殿、木野目の稲荷神社本殿を手掛けた俊表も名乗っています。俊表と俊正の関係は明らかではありませんが(一説には兄弟ともいう)、俊正も嶋村流の工匠であることは間違いないでしょう。
 作風は、庇の竜、側面の松の枝ぶり、波頭などを見ると繊細でかつ鋭く、触れると折れてしまうのではないかと思わせるほどです。建築の建立年代を直接示す史料はありませんが、19世紀中期と考えられます。
 川越市教育委員会

春日神社本殿覆屋

川越市指定有形文化財の春日神社本殿

砂新田春日神社本殿解説板

春日神社鳥居

阿形の狛犬

春日神社拝殿

吽形の狛犬

拝殿に掛かる春日神社祭神の扁額

拝殿内

鳥居に掛かる春日神社の扁額