善光寺や かけ念仏で 明けの春

そば時や 月のしなのゝ 善光寺

善光寺へ 行て来た顔や 雀の子

鶯の 来る樹なれば 及びこし

大雪に 声替りせし 雀かな

若竹の 樹にましはれは 木の形

初雪や 雪駄ならして 善光寺

開帳に 逢ふや雀も おや子連

茂呂何丸
<吉田村北本町(現長野市吉田3丁目)に小沢治郎右衛門の 長男として生まれ、青年時代は書画を愛し、江戸・京都・大 坂を往来し、古書画の売買を業としていた。寛政 4 年(1792) に俳諧の仲間入りをし、享和 2 年(1802)に重病を患い、剃 髪して「何丸」と名を改める。>

ぼた餅や 地蔵のひざも 春の風

春風や 牛に引かれて 善光寺