寛政9年(1797)の常夜燈

歯槽医殿(はくさんさん)解説

奥に石祠が祀られている

御堂に架かる歯槽医殿の扁額

すっきりとした御堂内

徳川11代将軍家斉の天明、寛政の時代、御幣川の小市家に信心奇特の人がいた。この頃、難病の苦しみを行力によって癒してくれた行者がいた。行者は歯創(歯槽膿漏)がひどく、他の人にはこの悩みをさせたくないと請願をたて、幾日もに苦しむ行者がおり、他の人々にはこの苦しみをさせたくないと誓願を立て、幾日も艱難苦行をし、行人塚で生きたまま入定した。小市家では居宅の土地へ石祠を建て 「はくさんさん」 として勧請した。これに讃行する村人は、寛政9年(1797)に小林元右衛門、宮入兵右衛門が領主となって 「諸法一万講」を作り、社殿や野燈を奉納し、毎年9月1日」 に祭事を行っている。現在の社殿は、平成の初めに改築され、入母屋造妻入り瓦葺で、間口一間半、奥行き二間で拝殿の奥に石祠がある。全国的にも珍しい歯の神様である。なお修業した場所は、行の橋、行人塚として今も残っている。

隣接する幣川神社社標