川船番所は幕府により設けられた番所で、萬年橋の北岸に置かれ、川船を利用して小名木川を通る人と荷物を検査しました。
設置の年代は明らかではありませんが、正保4年(1647)に深川番の任命が行われていることから、この頃のことと考えられています。江戸から小名木川を通り利根川水系を結ぶ流通網は、寛永年間(1624-44)にはすでに整いつつあり、関東各地から江戸へ運ばれる荷物は、この場所を通り、神田・日本橋など江戸の中心部へ運ばれました。こうしたことから、江戸への出入口としてこの地に置かれたこととと思われます。建物の規模などは不詳ですが、弓・槍がそれぞれ五本づつ装備されていました。
明暦3年(1657)の大火後、江戸市街地の拡大や本所の掘割の完成などに伴い、寛文元年(1661)中川口に移転しました。以後中川番所として機能することとなり、当地は元番所と通称されました。
(江東区教育委員会)
川船番所跡
古池や 蛙飛込む 水の音
清洲橋