この像は馬渕の観音堂と呼ばれていた無住の小堂にあったが、真光寺に移安され現在に至っている。
 頭を前傾し、伏し目にした理知的な表情にはすでに藤原の仏像たちがもっていた穏和なやさしさは見られない。引き締まった頬の肉どり、撫で肩ながら厚みのある形、胴のくびれや腰以下のモデリングに、新しい造形の動きが反映している。そういえば髪は異様に高く、宋風の影響さえ無視できない。ヒノキの寄木造で、全身古色に覆われている。でも最初から色彩のない素木造であったと考えられる。一見、彫眼であることや裳の衣裳の彫り口など藤原風の古様を伝えているが、鎌倉新様の作風下に造立された作品であるとみることができる。

観音堂

本堂に掛かる真光寺の扁額

真光寺本堂

手水舎

法然上人と子供たち

地蔵菩薩

真光寺第16世龍成上人晋山記念五重塔

聖観世音菩薩立像説明