石清水神社前に 「かどや」 という 「お休み処」 があった。およそ200年前に建てられ、用材は欅を 「チョンノ」(鉋(かんな)の一種)で削り、くぎは使われていない。内部は幾組もの客が休憩できるように多くの小部屋に分かれていた。井戸は岩を掘り下げて、井戸側はなく、岩の間からにじみ出た水で、文字通り 「石清水」 であった。
 ところで、この井戸を掘る時、その位置を決めるのに屋敷のあちこちに、幾つものお椀を伏せて起き、露の付き具合の一番多いところが、水量も多く、水点も近いであろうと、西南の角に、決めたと言われている。江戸時代旅人たちが、この石清水で沸かしたお茶でのどを潤し、一夜の宿で、旅の疲れを休めたところである。
 ちなみに、大正6年陸軍大演習のみぎり、大正天皇に献上されたお茶は、この水を沸かしたものと言われている。
 (大堀町史跡顕彰委員会)

「かどや」 跡地と井戸の由来

石清水井戸跡