安食南には、古くから 「矢り木」 (やりこ) という地名があり、昔、いく日も雨が降らず、農作物が枯れてしまって村人たちは大変困っていました。村人たちは阿自岐神社の神様に雨を降らして頂くようお願いしたところ、「安食南にある大木の上から矢をはなてば、矢の落ちたところから水がわく」 とお教えになり、早速、弓の名人に大木の上から矢をはなってもらうと、阿自岐神社の東の地面に突き刺さりました。その矢を抜くと清水が湧き出し、渇いた大地を潤し農作物は大豊作となって、その清水を 「矢池」 と名付けました。この矢を放った大木が 「矢射り木」 と呼ばれ、それがなまって 「やりこ」 と言われるようになったと思われます。
 今日、その大木の生えていたところが、 「矢り木」 という地名になって伝わっており、はるか昔の名残をとどめています。
  (安食南区)

やりこの郷碑

やりこの由来

阿自岐神社の矢池

碑には弓矢が架かっている

大木から放った矢は阿自岐神社の東の地面に刺さり、矢を抜くと清水が湧き出し大地を潤したという