景行天皇の時代に、伊吹山に大蛇が住みついて旅する人々を困らせておりました。そこで天皇は、日本武尊にこの大蛇を退治するよう命ぜられました。
 尊は剣を抜いて、大蛇を切り伏せ多くの人々の心配を除かれましたが、この時大蛇の猛毒が尊を苦しめました。やっとのことで醒井の地にたどり着かれ身体や足を清水で冷やされますと、不思議にも高熱の苦しみも取れ、体の調子も爽やかになられました。
 それでこの水を名付けて 「居醒の清水」 と呼ぶようになりました。

居醒の清水説明

日本武尊が伊吹征伐で熱病に罹ったとき腰掛けて熱を冷ましたという腰掛石

日本武尊が乗馬の鞍を置いたという鞍懸石

あらばいま 捧げまほしく 醒井の うまし真清水 ひとしずくだに

鮫島中将の歌碑説明

鮫島中将歌碑

日本武尊像

日本武尊が伊吹山に棲む大蛇を退治する際に大蛇の猛毒で苦しめられたが、ここの清水で身体を冷やすと不思議にも快癒したと伝わる

居醒の清水

雄略天皇の勅使が美濃の霊水に棲む蟹を持ち帰る途中、水を飲まそうとこの清水に放したところ石になったという蟹石

蟹石

明治28年、北白川能久親王は、台湾で熱病に罹られ、重体になられました。病床で 「水を、冷たい水を」 と所望されましたが、水がありません。付き添っていた鮫島参謀は、かつて醒井に来られた時の水の冷たさを思い起こされ、一枚の紙に
  あらばいま 捧げまほしく 醒井の うまし真清水 ひとsずくだに
と詠んで親王にお見せになると、親王もにっこりされたと伝えられています。
 鮫島中将の直筆の歌碑です。