稲荷は古くから、農耕の神であった。松島稲荷の本社は伏見稲荷である。この稲荷社は古代に、全国の開拓をすすめた渡来豪族の秦氏が建てた。それからずっと今も商工農など、ひろく人々の信仰をあつめている。
 その昔、稲荷神の別の名を御饌津神(みけつのかみ)といい、三狐神(みけつのかみ)とも書いた。また 「神仏は同じ」 の考えから、稲荷神は狐の霊の茶枳尼天(だきにてん)という仏だといわれた。こうして中世になると、狐は稲荷明神の使いと信じられるようになった。
 松島は江戸期に、中山道の松並木沿いの小さな村であった。昔は限られた土地や小村を、島と呼んだ。その美しい 「松のある島」 松島に、伏見稲荷をお迎えし、お祀りしたのである。

稲荷神社本殿

稲荷神社本殿

池の中にある御神燈

昭和13年(1938)の常夜燈

稲荷神社の由来

参道の鳥居

浮島にある稲荷神社の神門

浮島前の鉄製鳥居