衣裳塚古墳は、各務原台地の北東辺部に位置する県下最大の円墳です。
 墳丘の大きさは直径が52m、高さが7mあり、周囲は開墾のためやや削平を受けていますが、北側はよく原形を留めています。また、墳丘表面には葺石や埴輪が認められません。
 衣裳塚古墳は、円墳としては県下最大規模の古墳ですが、ここより南西約300mのところに、県下第2位の規模を有する前方後円墳の坊の塚古墳が所在することや、本古墳の墳丘西側がやや突出する形態を示していることから、本古墳も本来前方後円墳であったものが、後世に前方部が削平されて、後円部が円墳状に残された可能性もあります。
 衣裳塚古墳の築造年代については、本古墳の埋葬施設や年代が推定できる出土遺物が知られていないため、正確な判定はできませんが、およそ古墳時代の前期から中期にかけて(4世紀末から5世紀前半)の時期に坊の塚古墳に先行して築造されたと考えられます。
 (各務原市教育委員会)

衣裳塚古墳標柱と説明板

衣裳塚古墳