旧太田宿の中心にあった旧本陣は、宿場の中町の現在位置にありました。明治時代になると旧本陣には太田町役場が置かれ、町の中心的な存在でした。現在、旧本陣の面影はありませんが、この門は当時を偲ばせる貴重な遺構です。
「旧太田宿本陣門」 は、文久元年(1861)仁孝天皇の皇女 「和宮」 が14代将軍徳川家茂に嫁ぐため、江戸に向かう時に新築されたものです。この時は、旧中山道中の家並みなども新築・修築されたといわれています。
この門は、一間の薬医門(本柱が門の中心線上から前方に置かれている門のこと)で、両袖に半間の塀が付く、格式のある端正なつくりです。昭和の初め頃に現在の位置に移築されたと言われています。建築以降、長い年月を経て傷みが激しくなったため、平成14年10月に美濃加茂市教育委員会が解体修理を行いました。
福田本陣跡の薬医門
旧太田宿本陣門標柱