この地蔵様は宝暦6年(1756)地元(武並町美濃)の人たちが、旅行者の道中安全を祈って建てたものである。その後地蔵様は、下街道沿いの丘の上に移され、春の桜の頃に地元の人たちが集まって、盛大な祭典を行っている。
 この地蔵様にはこんな話が残っている。
 昔、2人の中間がここを通りかかった。夏のことで汗だくであった。「少し休もうか」 と松の木陰で休んでいるうちにいつの間にか2人は眠ってしまった。暫くして1人が目覚めてみると、もう1人は.首を切られて死んでいた。びっくりして辺りを見回したが、それらしい犯人は見当たらなかった。怒った中間は 「黙って見ているとは何事だ!」 と腰の刀で地蔵様の首を切り落としてしまった。
 それ以来、何人かの人が首をつけようとしたが、どうしてもつかなかったという。

地蔵尊

地蔵尊脇に置かれた木魚

首なし地蔵尊

地蔵堂

御堂の横に解説がある

首なし地蔵跡標柱