大井宿は中山道46番目の宿場で、整然とした6箇所の枡形のある独特の町並みをしていました。最盛期には45軒余の旅籠があったといわれています。
 本陣とは大名や公家、幕府の公用役人などが休泊するところで門構えや玄関、式台があり他の旅籠屋とは大きく違っていました。本陣は各街道の宿場に1軒あるところや2軒あるところなどがありました。本陣が満員の時は本陣に準じた施設である脇本陣に休泊しました。大井宿本陣は、残念ながら昭和22年に母屋部分は火災で焼失してしまいましたが、幸いにも本陣の表門周辺は焼残り、安土桃山様式を伝えるこの門を今に見ることができます。表門は他の本陣に比べるとやや小ぶりですが、屋根は反りを持たせた瓦葺きで破風板や小屋組みの細工や彫刻も丁寧に仕上げられています。門の傍らに立つ松は樹齢300年を越すと思われる老松で幾多の大名や公家の姫君達がこの門をくぐったのを見ていた事でしょう。
 (恵那市教育委員会)

大井宿本陣跡説明

大井宿本陣跡

史蹟大井宿本陣址碑