境内社の恵那峡稲荷神社

 本宮は富士山麓にある富士浅間神社である。岡瀬澤の富士浅間神社は当地に岡瀬澤の産土神として勧請されたが、その由来は不詳である。薬泉が湧出する池に囲まれた本殿は貞享2年(1685)の創建であり、祭神は木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)である。
 文化11年(1814)の大井村絵図では、「シホノゴゼン」 と名記されている。これは祈ると女性の病気に霊験があらたかで 「下の御前」 といわれていたのが、いつしか 「塩の御前」 に変わったのだとともいう。これは池に湧き出る霊泉が女性の病気をはじめ万病に霊験があったためで、この霊泉を自宅へ運び、薬効泉として入浴していたことは戦後まで続いた。本殿例大祭は8月、脇社の大山祇神(おおやまずのかみ、山の神様)の神事として、御湯立は12月に行われている。
 元旦の零時、8月の例大祭には七福万歳が奉納されている。この万歳は昭和6年に三河万歳が伝えられたもので、一時中断したが、昭和58年に復活し、恵那市の民族文化財に指定されている。現在は児童による万歳のグループもある。

恵那峡稲荷神社拝殿

富士浅間神社由緒

境内社は10社が祀られている

本殿は覆屋にあり、周囲は池が囲む

富士浅間神社本殿

拝殿・本殿覆屋

境内の脇は水田が広がる

鳥居横の常夜燈
(水田の奥に赤く実った柿が見える)

注連縄が掛かる鳥居

舞台