本陣の入口には五軒続きの長屋が建ち、その中央の一軒分が門となっていた。門右手の一軒分は問屋場で、門をくぐると表庭があり、その奥に建坪283坪の本陣があった。
 表庭の右手に長屋があり、その奥が厩(馬屋)になっており、表門の正面は内玄関と縁三間半の荷置場があった。その奥が台所、貴人一行自らが調理した所や御膳所があった。その奥が勝手向きで、勝手の諸施設や多くの部屋もあった。
 表庭の左手に中門があり、その右に番所も置かれ、庭は高塀で囲まれていた。玄関の奥には玄関の間、次いで三の間・次の間・中の間・上段の間へと続いた。
 上段の間は9畳で、床の間を設け、備後表で大紋縁付きの上畳が2畳置かれていた。上段の間には湯殿、上り湯、雪隠などがついていた。裏も庭となり高塀で囲われ、御退道の門戸があり、非常の時は近くの大泉寺へ避難できた。

中津川宿本陣説明

中津川宿本陣跡碑