日本名勝写生紀行

水舟と正岡子規歌碑

須原に至りし頃は夜に入りて
空こめたる山霧深く
朧々の月は水汲人の影を
照らして寂寞たる古駅の趣
いふ計りなく静かなるに
道の中央には石にて囲ひし
古風の井戸有りて淡島神社
の灯篭其の傍らに寂しく立てり

正岡子規は明治24年(1891)に須原宿を訪れている。

正岡子規歌碑

寝ぬ夜半を いかにあかさん山里は 月いつるほとの 空たにもなし