暦の上で60日に一度めぐってくる庚申の日に、その夜を眠らずに過ごして、長寿を願う信仰を庚申待といいます。
人間の身中には、誰でも三尸九虫(さんしくうちゅう)が宿っていて、この虫は庚申の夜に人が寝た時、天へ上って天帝に、人間の罪過を告げて、人の生命を縮めるといいます。この虫の報告が500条になると、その人は死ぬそうです。
そこで、庚申の日に、三尸の虫が寝ている時、天へ上らぬように、夜起きているわけです。
普通、庚申塔と刻まれた塔が多いが、倉本のこの塔は 「除三尸之罪」 と彫られていて、年号も享保12年(1727)で、上松では一番古いものです。
右手にある徳本行者の特徴ある文字で書かれた 「南無阿弥陀仏」 の名号塔も木曽では大変珍しいものです。
(上松町教育委員会)
左から南無地蔵尊、百万遍供養塔、徳本の南無阿弥陀仏名号碑
左から馬頭観音、地蔵尊、供養塔、馬頭観音
左から法華塔、馬頭観音、不明、不明、西国三十三所観世音
笠を被った石塔に 「除三尸之罪」 と刻まれている
<享保12年(1727)>
御嶽山・秋葉山・牛頭天王と刻まれた文化6年(1809)の常夜燈
左から供養塔、笠付庚申塔、観音像、石仏
庚申塔説明