木曽の代官山村良由公の詩にあるように、この渕に水流が巴を作ってうず巻いていた。
 義仲公の養父権之守中原兼遠の娘である巴御前は美人であり、女傑であったことは、あまりに有名であるが、この渕に住んだ龍神が化身して公の義勇を助けたという伝説の中に、天下の風雲児義仲公に対する私達の祖先が、いかに味方したかが偲ばれていて面白い。対岸に清水のこんこんと湧く泉があり、木曽殿が産土南宮神社を拝するときの手洗水としたと云われ、今も石舟が残されている。これより西に通づる道は、中山道である。大名行列が通り、馬や篭が片端(徳音寺区)を経て宮越宿にゆるゆると進んだ面影があり懐かしい。春の梅花の期特に美しい。
 (日義村観光協会)

巴橋

南宮神社手洗水

日義八景巴ヶ渕の晴嵐