木曽郡の北東鉢盛山と、木曽山脈の主峰駒ヶ岳との間を連互する山脈が、中山道によって横断されるところが鳥居峠で、木曽路の北端楢川村と木祖村の境にある。
海抜1197mの俊嶺で、木曽川と信濃川の上流の奈良井川の分水嶺をなしている。峠の東麓が楢川村奈良井で、西麓は木祖村藪原であり、頂上は木祖村に属し、薮原駅から約3㎞、奈良井駅から約3.6㎞である。そこの眺望は非常によく、西は霊峰御嶽山、南に駒ヶ岳の雄峰が目の前に眺められる。
旧中山道筋に当たる峠路は、新緑紅葉ともに美しく、ハイキングコースとしては最適で、昭和46年信濃路自然歩道として長野県より指定されている。
峠路の開通は歴史が古く、和銅年間(708-15)に開かれたという「吉蘇路」をこれに当てている。はじめ県坂といい、中世いおいてはならい坂、あるいは薮原峠と呼ばれ、明応年間(1492-1501)になって木曽領主木曽義元が、松本の小笠原氏と戦った時、この頂上から西方はるかに御嶽権現を遥拝して、戦勝を祈願、霊夢によって勝つことができたので、ここに鳥居を建立、それよりは鳥居峠と呼ばれるようになったと云われている。
(木祖村)
熊除けの鐘
鳥居峠説明
石畳道