この熊野神社は 「おくまんさま」 と尊称され、昔から鎮守様として地域の人々から敬われ、親しまれてきました。
 仏教の影響を色濃く受けた熊野権現信仰は、神仏習合のかたちで明治に至るまで続きました。明治初年の神仏分離令、更には明治39年の神社合祀令により一時、存亡の危機に見舞われましたが、心の拠り所を失いかけた村人たちの強い願いで、大正2年1月末に荒廃に瀕した本殿の改修事業を完工し、熊野神社の復活を図りました。
 爾来90余年、本殿の老朽化甚だしく、先人の意志を未来につなげるためには、修繕が必要と考え原型を残す形での修復工事を実施しました。
 私達は子々孫々まで、地域の安穏と繁栄を祈る鎮守様を守り伝えることが大切なことと思います。
 この修復工事実施に当たり多額の浄財を御寄付くださった方々、及び奉賛会の役員としてお骨折りを頂いた多くの方々に厚く御礼申し上げます。
 なおこれまで本殿内に合祀されておりました仏像5体は、当地和光院に移し同寺で御供養することになりました。

拝殿

本殿

辻熊野神社由緒